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マルチハビテーションをはじめて1年の感想。



こんにちは、ココマスダです。


去年の6月30日にアップステートの田舎、コペークに家を買って、田舎の暮らしと、マンハッタンではトライベッカの住まいとミッドタウンの連れ合いの住まいの2ヶ所、合計3拠点を往復する「マルチ・ハビテーション」の生活を始めてから一年経ちました。



今の心境は一言に尽きます。


「思いきって田舎の家を買って本当に良かった!」


収入が多くて経済的に余裕があったわけでもなく、老後貯金を崩して買った家ですから、コロナ禍がなかったら絶対に踏み切っていなかったこと。


私の毎朝の習慣は、先ず水を一杯飲み、それからブラックのコーヒーをフィルターでゆっくり淹れること。田舎の家に連れ合いが来てなくてひとりだと、その間に家中のブラインドも全部開けます。そうするとお天気の日には、裏庭にリス (Squirrel)やシマリス(chipmunk)が走り回っているのが見えて、それは幸せな気持ちになれます。アオカケス(Blue jay) が訪れる日などはもう天にでも昇る心地。


そしてリビングにある小さなダイニングテーブルに座って、コーヒーを飲みながらメールをチェックし、日米両方のニュースに目を通しながら毎日新しい事を学ぶのですけど、家の正面にある大窓からはやっぱりリスやシマリスが走り回っている様子が見えて、時には鹿さんが通ってくれたりすると、キャ〜!です。この喜びは何年続くのでしょうね。


田舎にいても、昼夜パソコンに向かって仕事をする毎日で、マンハッタンの住まいにいるのとあまり変わりがないのですけど、一歩外に出れば自然のパワーをもらえてリラックスできます。


去年の今頃のこの家はまだ住めない状態で、近くの友人の家に泊まらせていただいて、連れ合いと、時々娘たち(と私が言う時は、娘の杏奈とその彼氏のクェンティンの二人の時もありますけど、だいたいは娘の親友のルーシーちゃんが加わって3人です)も手伝ってくれて毎日大掃除に明け暮れました。コロナ禍でドット仕事が減ってしまっていたのが幸いでしたね。


それから湿気問題と地下に水が溜まる問題と格闘し、インテリアのペンキ塗りが終わってベッドが届いて、

洗濯機と乾燥機も取り付けてもらってなんとか心地よく過ごせるようになったのは9月に入ってから。


改装計画は色々あるのですけど、今はちょっとお預け。株が大暴落し、少ない相続金は超円安のためにさらに少なくなってしまったので、景気の回復をしばらく待つことにしました。屋根をソーラーにして車を電気自動車に買い替えてエコな生活をしたかった以外は、改装が遅れても支障はないし、もし万が一改装が実現しなくても、私はこの家に住んでいることに大満足です。連れ合いも娘もそう言っています。


春になってから、地下の部屋をスタジオにする作業を進めています。いずれは2階を設けてスタジオにするのが目標なのですが。その地下の部屋は、この家を買ったときには水浸しでひどい状態だったのを、連れ合いが一生懸命綺麗にしてくれたのです。ありがたや!です。


料理とおもてなしが大好きな私なのに、小さな田舎の家には大きなダイニングテーブルは置けないし、二つ目のベッドルームは仕事部屋に使っているので気軽にゲストを呼べないことだけは不甲斐ないのですけど、それだけ生活がシンプルになったのは確か。娘たちが家を使いたい時は私がマンハッタンに行くことが多いです。


長年、妻として母として家族の世話をしながら仕事に明け暮れ、最後には娘として奔走しましたから、自分本位の生活の基盤を作っている、ってところでしょうか。今はサービス業に忙しいのですけど、いつかはクリエーターに戻りたい、と思っているので。昔からひとりでいる時間が沢山必要な性格だし。


「ココさん、田舎に移ったのですか?」ってよく聞かれますが、免許証その他の住所は移していないし、「今は実験中です」が正直な答え。週末だけ別荘に行くウィークエンダーではないし、ベースが田舎になったのは確かですけど、書道の稽古や今春から引き受けた月に一回のワークショップなどもあるし、少なくとも2週間に1回、用事が多い時は毎週マンハッタンに帰り、2、3日滞在します。それがトライベッカの住まいであることもあるし、連れ合いのミッドタウンの住まいであることもあります。


もうこのまま移住しちゃってもいいかもなぁ〜、と思っているのですが、ここから20分のところに別荘を持っている親友は、「まだマンハッタンに住まいがあって、いつでも帰れるからそう思うのよ」と言います。そうかな〜。去年の夏に家を買って「コペーク大好き!」と騒いでいた時は彼女に、「夏の間は誰でもアップステートが最高だと思うけど、冬が厳しいから、冬を越してみないとね」と言われましたけど、冬は冬で最高だな、って思いました。


田舎とマンハッタンの行き帰りはほとんど車ではなくて、電車を利用してます。マンハッタンのグランドセントラル駅からメトロノース鉄道 (MNR) のハーレムラインの終点がワセイック(Wassaic)駅。家からそこまでが車で約35分。家から駅までのルートは景色が最高で、それぞれの季節の自然の移り変わりを満喫できます。

車は駅の駐車場に置いていかれて、その料金は1日6ドル50セントと格安。乗る時間帯によって直通の時も乗り換え一回の時もあるのですけど、ワセイック駅からグランドセントラル駅まで約2時間半の間、パソコンで仕事が出来るので時間が無駄になりません。毎回車を運転するより環境には優しいし、ガソリン代もかからないし。


マンハッタンにいる間は都会の便利さを楽しみますが、二日もいると田舎に帰りたくなります。でも、田舎では日本とアジアの食材は手に入りにくいし、大好きな美術館にはいかれないし、やっぱり都会と田舎を行き来できる生活だから幸せなのかもしれません。東京とニューヨークを頻繁に行き来していた頃に、「私って、両方の都市を経験できるのだから最高にラッキーだな〜。」と感じていましたが同じ感覚です。


今、幸せなのは確か。


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