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不動産購買熱が昂じて三千里



こんにちは。ニューヨークのココマスダです。

先日書いた不動産購買の件は、どんどん予定していなかった方向へ発展しました。

先ず、私の彼が、アップステートのマルボロ地区にある自分が好きなミッドセンチュリー・モダン様式の物件のリスティングを送ってきて、まぁ面白そうな物件なので見てみよう、という事になり、内見を申し込みました。


これです。


不動産サイトに載っている写真はほとんどが広角レンズで撮っていて、修正もされているものが多いので注意しなければなりません。この家の写真もかなりの修正が明らかでした。


マルボロは人気がある避暑地ではないですが、ワイナリーやリンゴ畑などが近くにあるし、この家の裏庭からはハドソン川が見えます。それに家へいく小道も雰囲気良いし、小さなプールがあるではないですか! 大きなプールは一度所有して、大金持ちにならない限りもう2度と欲しくない、と思わされました。メンテナンスに限りなく手間と費用がかかるのに、ニューヨーク州では夏の期間が非常に短かく、使えるのはほんの数ヶ月。非常に無駄です。


でも、プール好きの娘は、プールがない家は借りるのも買うのも反対。娘が小さい頃、先輩ママに言われたのを覚えてます。「娘さんが高校生になるまでに家を買うんだったら、とにかくプールがある家を買った方が良いわよ。プールがあれば、子供達は夏休みにあなたの家に集まるから監督ができるけど、プールがなかったらあなたの子はプールがある家に入り浸りになって何やっているのかわからないから。」なるほど!で、それは本当で、高校時代、娘はプールがあるハンプトンのお友達の家へよく泊まりに行っていました。でも、私の住まいも一年中皆が泊まりに来る場所になって、私は無料の下宿をやっているのかいな、と思いましたけどね。


私の彼はフランク・ロイド・ライト氏の建築の熱心な信奉者で、自分のマンションもライト氏のセオリーに沿って装飾してあるのです。去年の10月に一緒に日本に行った時も、彼の第一の希望はライト氏が残した建築を見る事、というぐらいのファン。有楽町の帝国ホテルにまだ残っているオールドインペリアル・バーでは、ライト氏オタクのバーテンダーの方と意気投合していました。明治村まで足を伸ばし、保存されている帝国ホテルのロビーも見て来ました。明治村は私も行って見たかったので良かったです。

私は自身はフランク・ロイド・ライト様式のファンではありません。「日本の建築に影響されたのだから共感できるはず!」と彼に言われますが、日本の建築がいつまでたっても古く感じないのに対して、ライト氏の建築とインテリアは余計な装飾が多いし古く感じます。


私たちの感覚の食い違いは結構問題です。私自身の趣味は建築に限らず幅広く、建築様式では、ミニマルなモダンから(日本によくあるコンクリートの打ちっぱなし、好きです)、フランスのカントリースタイルやイギリスの植民地スタイル、そしてイスラム建築まで「大好き!」と思えます。趣味の違いはどうしようもないのだからいいじゃない、と私は認められるのですが、彼の方はそうはいかないようです。私が好きじゃないのは分かっているはずなのに、ライト氏デザインの物をプレゼントしてくれたりして困ります。


でも私たちは二人とも、一般人が好きな豪奢な家やチャラチャラした小物には全く興味がないのは共通しているので、いずれ「シンプルでモダン」というくくりで同感できる生活が出来るのではないかと希望は持っていますがどうですかね。


話が逸れたので、本題の不動産の話に戻します。

以前から、ニューヨーク州の西にあるキャッツキルと呼ばれるエリア、特にリビングストン・メナーという村が、ブルックリンの若者たちに大人気、というのを聞いていたんですが、ブルックリンは私の感覚ではないし、海から遠い内地は興味ないなぁ〜と思い、アンテナを張っていなかったのです。でも、一応どんなところかネットで検索をしていて、エスケープ・ブルックリン(ブルックリンからの脱出)という旅行と不動産を紹介するとても質が高いサイトに行きつき、そこで紹介されている「ブラックハウス」という名前がついた物件が気に入ってしまいました。

これです。

もっと写真が見たい方はこちらへ。


リビングストン・メナー村の隣り、車で15分ぐらいの地区、パークスビルにある物件でした。

以前は音楽業界で活躍したガブリエル・アビ氏がプロデュースして改装した、10エーカーの土地に立つ小さなカントリーハウスです。彼がプロデュースした物件は、インスタの @bone.design.co で紹介されています。そして、彼の弟のアビブ・アビ氏が、売却を担当している不動産屋さん。いいコンビですね!


この家の外観は、今大流行りの黒。実際は真っ黒なアイボリーブラックではなく、濃茶、なのですが。インテリアは限りなく白。敷地の外れには大きな池があり、この家にはその池の使用権が含まれているということ。


以前ウッドストックに買った建築家が建てた家は大規模な修繕が必要で、その家を所有していた5年の間にかなりの時間とお金を注ぎ込みました。この家はすでにそれが終わっています。そして夢のような土地!自然に飢えた今の私は「欲しい!」と思ったし、Airbnbで貸すにも間違いない物件です。思いきってアビブ・アビ氏に連絡を取って内見を申し込みました。


ついでにリビングストンメナーの近辺の物件を見てみようと検索を続け、幾つかの内見の予約を取りました。

こんな展開で、今週の月曜に、1時間以上距離がある2つのエリアに行きました。それも、彼と二人で行く予定が、間際になって娘が「一緒に行ってもいい?」と言って珍道中となりました。最初に運転したのは娘。彼女は運転が上手で、安心して隣りに座っていられます。

マルボロの物件は、入った途端になんとも言えない異様な匂いが!家が古いからでしょうか。匂いに敏感な娘は、入った途端に、

I don’t like it. I'll wait in the car.

(好きじゃないわ。車で待っているわね。) と言って退散。

彼は熱心に見て質問していました。不動産屋さんによると、この物件にはすでにいくつか購買のオファーが入っているけれども、まだどれもオーナーが受理していない、と。売値が数日前に25,000ドル上がったのには気がついていました。私は面白い物件だとは思いましたが、建築家が意図したデザインを大事にしながら修復しないとならない家なので、ミッドセンチュリー・モダンの大ファンが買えばいい、と思って選択から外しました。

娘はすでに「運転するのは疲れた〜」と言って後ろの座席に移り、ヘッドフォンをして自分の世界に浸りました。マルボロからリビングストンメナーへは彼が運転。どうして私が運転しないか、というと、彼はナビが苦手だから。でも、Googleマップのお姉さんの言うことを繰り返してあげても彼のリアクションは鈍く、高速の出口を逃して非常に長い寄り道をすることになって二軒目の内見は逃しました。ん〜、大丈夫かなぁ、彼。シニア交際は、老後を一緒に楽しく過ごす相手を見つける目的でも、「付き合い始めて間も無く相手の介護をすることになるのではないか。」という懸念が常に付き纏います。一緒に子供を育てて生涯を共にした連れ合いの介護はもちろん喜んでしますが、付き合い始めてあまりたたないのに介護になるのはやっぱり困りますよね。


「ブラックハウス」には時間通りに着きました。そこは長い砂利道を登った、冬の雪が積もっている間に行くには難しいだろうな、と思える敷地にありましたが、ここは、『エスケープ・ブルックリン』がフィーチャーしただけあって、都会人の田舎の憩いの場所としてはほぼパーフェクト!

内見の案内は、不動産屋さんのアビブさんではなくて、この物件をプロデュースしたガブリエルさんがしてくれました。なんと彼と弟さんは、この家がある道の両側に住んでいるそう。この家を買ったら素敵なお隣さんがついてくる、って訳です。彼は、夏の間はその家で、冬の間はメキシコで過ごす生活をしているそうです。メキシコでも家の改装のプロジェクトをやっている事が、インスタでわかりました。


アビブ氏が言うには、すでに7人から購買のオファーが入っている、と。ニューヨーク近郊の不動産は今それほどホットなんです。

贅沢な娘は、プールがない、とか狭すぎる、とか色々難色を示しましたが、私はぞっこんこの家が気に入りました。終の住処としてではなく、別荘、そして投資として。土地は広くとも、家が大きすぎないのも気に入りました。


この内見が終わった後、車のガソリンが無くなったり(アビブ兄弟が救助してくれました!)、村を離れるとスマホの電波が届かなくなったり(天下のボライズンでもダメでした!)、都会住まいの私たちらしいトラブルがあったのですが、他の物件を数件見る事ができましたが、アビブ氏プロデュースの家より気にいる家はありませんでした。


不動産購買を検討し始めてから2週間も経っていないのですが、その晩よく考え、翌日の朝友人たちの意見も聞き、「ブラックハウス」に購買の申し込みをすることを決心。売値よりは高くとも、自分が納得する値段のオファーを提出しました。それと同時に、買えなかったらそれはそれでいい、競りには参加するまい、と決めて。ダメだろう、という気はしていました。


翌日アビブさんから連絡があり、すでに売値より5万ドル高いオファーが数件入っているけれどもどうしますか?と聞かれ、(新しい購入価格を提出するのは)辞めておきます、と答えました。もちろんとても欲しい物件でしたが、投資として冷静に考えると、すでに高すぎる物件なので。


しかし素敵な物件でした!上物はともかく、あんなに素敵な土地はなかなかないでしょう。


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