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村上隆氏よりずっと前に、ペリエの限定ボトルをデザインしました。



こんにちは。ニューヨークのココマスダです。


先日、東京ミッドタウンの Style Meets People の店主の松浦麻沙子さんからLINEのメッセージが入りました。日本を代表する現代美術家の村上隆さんが、ペリエとコラボでボトルのデザインを手掛けたことをツイッターで見たそうで。 そして、


「ココさんの方が早かった」

って。


そうなんです! 


麻沙子さんとご主人の松浦隆展氏(Vision Marketing 代表)は、以前はずっと、それも私が20代の頃からニューヨーク在住で、私のことは公私ともによくご存知です。私がグラフィックデザイナーでまだイラストを初めていなかった頃には日本のイライアントさんとの仕事のエージェントをやってくださったし、私が新宿伊勢丹でニューヨークの風景画の個展が出来たのも彼らのお陰。


私がペリエのボトルをデザインしたことは、私のイラストレーターとしてのキャリアのひとつのハイライトでした。日本では無名だったので、日本のメディアでは全く取り上げられなかったのですが。あの頃はインターネットはもちろん、インスタもフェースブックも無かったし。


タイムやニューズウィークの表紙のイラストも手掛けたし、リーバイスやエスティ ローダー等の大企業とも仕事をしたので、玄光社のイラストレーション誌 に取り上げてもらえないかな〜、と思って東京の編集部を訪ねて編集長さんにはお会い出来たのですが、

「う〜ん、マスダさんの色合いは日本人の感覚ではないですね。」と言われた上に全く興味を持ってもらえなかったので、

「そうか、私のイラストは日本人には受けないんだな。ま、良いわ、アメリカで成功すれば。」

とすんなり納得して、その後も日本市場への売り込みはしませんでした。


40代後半に画家として肖像画を描くようになり、2009年に渡米30周年記念として青山のスペースユイさんで絵画の個展をしてから5年後、妹が「お姉さん、葛西様は広告界の神様よ!」と崇めていたサンアドの葛西薫さんからお電話をいただき、伊藤忠商事さんの「ひとりの商人」日経広告キャンペーンのイラストを手がけました。その時にギャラリーが葛西さんに送ってくれたはがきを大事に取っておいてくれたらしいのです。「個展には行かれなかったのですが。」と。ありがたいことです。


そのキャンペーンが2014年の日経広告大賞を受賞し、葛西さんが、「この後きっと注文が殺到しますから覚悟した方が良いですよ。」と仰ってくれたのですが全くだったし、取材の申し込みもありませんでした。2件ほど仕事の打診はあったのですが、クライアントへのプレゼンの際に「こんな人も候補に入れてます。」と使われただけなのではないかな、と思います。


話をペリエに戻しましょう。

村上隆さんがペリエとコラボしたことはもちろん話題になって、いろいろなメディアで報道されたようですね。



インスタのペリエジャパンのアカウント、@perrierjapan では、画像やインタビューが見られます。

美術手帳の記事はこちら

英語の記事はこちら: 


以下、美術手帳の記事からの抜粋です。


なお、ペリエは1863年の創業以降、アンディ・ウォーホルやサルバドール・ダリ、ベルナール・ヴューモ、レイモン・サヴィニャックなどのアーティストとコラボレーションしてきた。今回は、初めてのアジア人アーティストとのコラボレーションだ。

 村上はこう続ける。「初めてアジアのアーティストとして、アジアの文化とペリエの世界観を合体するのは、とてもユニークなものだ。その意味で、(今回のコラボを通じて)東洋と西洋の合体みたいな世界ができたのではないかと思います」。


違いますって! 

在米日本人の私がずっと前に手掛けましたよ〜。


私は村上さんのアートは大好きだし(全部ではないです)、実業家としてもとても尊敬しているので、同じプロジェクトを手掛けられたことは非常に嬉しいです。


私がペリエ社からライムフレーバーのペリエの限定ボトルのデザインを頼まれたのは1994年の春。その冬のキャンペーンに向けてのプロジェクトでした。


あの頃の私のイラストは全てエアブラシでした。"Twist of Lime" のレタリングも手描き。


ボトルはペリエ社から一箱いただいて、実家の母に分けて非常に喜ばたりしてずっと取っておきましたが、数年前に処分しました。今回の村上さんのニュースを知って、「一本ぐらい取っておいた方が良かったのかな〜」とちょっと残念ですが、私は日本では今だに無名だし、ま、いいっか。


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