Photo: Steve J Hill
こんにちは。ニューヨークのココマスダです。
先週の火曜日から木曜日までの二泊三日だけですが、待ちに待った休暇をロングアイランドのノースフォークの、グリーンポートという田舎町で取ってきました。マンハッタンから車で約2時間の場所で、6月の終わりに日帰り旅行をしてとても気に入ったエリアです。
今年の夏は、娘に懇願されて、久しぶりにハワイ島のコナにいくはずだったのが、パンデミックのお陰で不可能に。持っていた別荘を7年前に売却してからコナには行ってなかったのでとても楽しみだったのですが、日本と同じく、ハワイを訪れる人たちへの水際対策である14日間自主隔離の決まりが、とうとう今月も続行される事になったので諦めざるを得ませんでした。
7月の終わりまでハワイの水際対策が終わるか待っていたので、車を借りて行かれる距離の宿泊施設を検討し始めた頃には、値段が高騰している上にほとんど完売状態。今年の夏は、3月ごろから富裕層が避暑地に行ったまま帰ってきていないのに加えて、何ヶ月もの自宅待機で外出と旅行に飢えていたニューヨーカーたちが、近場の避暑地に押しかけています。
このミニバケーションには娘を誘ったし、お友達も一緒に別の部屋を取ってあげるわよ、と提案したのですが、No thank you! という答えでした。娘のバケーションのレベルは非常に高い上に、お友達が一緒でないと退屈なのです。彼女のボーイフレンドは、モントリオールの大学に戻る前にマイアミに引越ししたお母さんのところに行っているし、親友のルーシーちゃんは、大学の寮に戻る前に2週間の自主隔離中。大学の寮に戻りたい生徒は、皆この自主隔離が必要なようです。という事で、私とシニアの彼氏だけの気楽な旅行となりました。娘と彼は、うわべは一応フレンドリーを装って喧嘩はしませんが、お互いが苦手同志なので、3人でどこかに行く、ということはほとんどありません。
私たちが泊まったのは、シルバーサンズ・モーテルという、昔懐かし50年代のアメリカそのまま、という感じのモーテル。平日の三日間だけ空き部屋があったのです。正直言って私の趣味ではないことはわかっていたのですが、目の前がビーチなので妥協しました。
写真: silversands-motel.com
予想した通り、アメリカ人の彼は、モーテルについた途端
"Wow, so cute! This is great!"
(うわぁ〜、可愛い!最高だね!)
と感動し、部屋を見ても、"So cute!" を連発していましたが、
私の方は、どこが可愛いの? 何このインテリア? 最悪〜! と顔が強張り気味。
文句を言ってバケーションを台無しにすることはないので苦笑いしましたが。
ここら辺の感覚が合わない私たちです。
ノスタルジックなアメリカをプロデュースするのであれば、それなりに素敵なモーテルに出来ると思うのですが、そういうのではないんです。おじいさんの代に、インテリアのコーディネーションは全く考えずに揃えた調度品を、そのまま使い続けているって感じ。タオルはジムに置いてあるようなペラペラなやつです。でも、ここは彼が感動した通りに、アメリカ人にとってはノスタルジックなのでしょう。雑誌やテレビの撮影にも良く使われているモーテルですし、ニューヨークタイムズのグリーンポート・ガイドでも、お勧めの宿泊施設として載っています。日本人にすれば、昔懐かし江ノ島の海辺の民宿、っていう感じなのでしょうか。
ウェブサイトに載っている海側から見た中庭の写真は全くの嘘。今は、「何これ?」と思うような化物のように巨大な植木が、各部屋の前に陣取っていて、モーテルの建物は見えません。
それでも私たちは、運良く上の写真で見える海側の角の部屋をもらえて良かったです。その部屋は、リビングルームがあるスイートになっていたのでラッキー!でした。ルームナンバーは22です。平日は一泊205ドルとこのエリアの宿泊施設では格安。週末は300ドル以上です。モーテルの敷地には、家族連れに便利そうなコテッジもいくつかあって、そのレンタルは1週間が最短の滞在で1,400ドルだそうです。
滞在していたカップルと仲良くなって話したのですが、常連だそうです。「インテリアは最悪よね。一度予約したコテッジはあまりにひどいから泊まらなかったの。でも、海が目の前で落ち着けるからいつも来ちゃうの。」と言ってました。
ビーチのラウンジチェアで一生懸命日焼けをしているのは、太めの中年女性と夫婦が多かったです。でもよく見ると知った顔が。トライベッカの私が住んでいるビルに、時々お父さんを訪ねてくる大学生の女の子です。そう言えば、このモーテルのウェブサイトに写真が載っていて、あれっ、と思ったのです。お母さんも一緒に来ているのでやはり常連なのでしょう。娘が小さい頃は、そのお母さんの連れ子の長女と4人でうちのビルに住んでいたのですが、その内3人を見かけなくなりました。残ったお父さんとは早々と他の女性が住んでます。これが気持ち悪い男なんだな。どんどん変わりがちなアメリカの家族構成です。しかし狭い世の中!
ちなみに、日本人と違い、白人は本当に日焼けをすることに真剣な人たちが多いです。娘も同じく。皆に自慢できる避暑地に行かれないので、毎日のようにうちのテラスのラウンジチェアに寝転んで必死に日焼けをしてます。
グリーンポートの街はシルバーサンズモーテルからは歩ける距離。小さいですが、最近どんどんクールになっているそうで、前回行った時には閉まっていた店が多かったのですが、今回はほとんど開いていました。コロナ禍でほとんどの店が屋外ダイニングエリアを設けていましたが、驚いたのは、屋内でも飲食ができるようになっているレストランが何件もあった事。そっか〜、ニューヨーク市でない店内飲食が許可されているのだな、とわかりました。
アメリカンビーチというトレンディーなホテルの屋外ダイニングエリアで食事している人たちは、私たちが泊まったモーテルよりずっとハイソな感じ。
誰も座っていない時の写真ですみませ〜ん。
私たちが最初の晩の夕食に選んだのは、前回来た時に長い列ができていて諦めた、ルチャリトスというメキシコ料理店。
ここは現在屋外ダイニングしかやっていなくてメニューも限られていました。ベーシックなビーフのタコスとチキンファジータの定食を頼みましたが、マンハッタンで食べ慣れているメキシカンよりずっと美味しく人気があるのに納得。
私の彼は、食べ物にあまり興味がない上に、食がものすごく細く、少ししか食べないのがつまらないところ。もう慣れましたけど、こういう人と付き合うのは無理だな、と思ったぐらいです。妹も、「お姉さん、絶対に無理。」と。
なので旅行をしても、まともに食事ができるのは1日1食と覚悟しておかないとイライラしてしまいます。朝はヨーグルトで済ませ、昼はサンドイッチかスナック程度に食べる、って感じ。あちらも私の食への情熱に慣れてきて、You are hungry already, right? (もうお腹空いたのでしょ?)って聞いてきて、ま、適当に付き合って食べてくれますが、せっかく来たんだから美味しいものを探して食べる、っていう感覚はわからないようです。なので、正直言って、いつまで続くか、と思う時もしばしば。でも、ダイエットには好都合、という利点もあります。
今行く気にはなれないけど、素敵そうなスパもありました。
二日目の夕食は、せっかくシーサイドタウンに行くのだから〜と、ロブスターを買ってきてキャンプ気分でモーテルの庭で蒸して食べたのですが、私は釣りもできないし活き造りが食べられない臆病者でして、生きたロブスターを蒸しちゃうのはやっぱり後悔。蒸したとうもろこしの方が甘くてずっと美味しかったです。最近、ベジタリアンになろうかな、と思っちゃうことが多いのですよ。色々と心境の変化が多いこの頃です。
明日は、ノースフォークに来たもう1つの目的について報告しま〜す。
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